コケテラリウムを楽しむ テラリウムは、ガラスやアクリル容器などの中で植物を育てることを言います。その起源は19世紀までさかのぼることができます。 イギリスの医師ナサニエル・ウォード氏は、植物学にも熱心で、25000点を超える植物標本を収集していました。ところが折角持ち帰ったシダがロンドンの環境と合わず徐々に弱っていったのです。そこで、ガラスの容器に土を入れ、シダを植えたところ元気に育つようになったということです。このガラスの容器は「ウォードの箱」と呼ばれ、プラントハンターたちに使われるようになったということです。「ウォードの箱」は、陸地を意味する「ラテン語」の 「terra」と、場所を意味する 「arium」から「テラリウム」と呼ばれるようになったということです。(参照:『はじめての苔テラリウム』園田 純寛 著 P.14) いまは植物育成用のLEDEライトなども普及したので、日当たりの悪い室内でも緑を楽しむことができ、緑で癒されたり、楽しむことができるようになりました。 植物も工夫次第でいろいろな種類のものを楽しむことができるので、楽しみ方は無限と言っても過言ではありません。(NHKテキスト 『趣味の園芸』8月号P.50参照) このところ、苔を使ったテラリウムが人気を集めていますが、私も苔テラリウムに挑戦してみました。 どのように苔が成長していくのか楽しみですが、折々その状況をお知らせしようと考えています。新型コロナウイルスで自粛生活をしている方も多いと思いますが、苔テラリウムが楽しみの一つとなればと思います。 コケテラリウムに必要なもの 1.ガラス容器 いろいろな大きさのものがありますが、最初は自分の好みで選べばよいでしょう。百円ショップや無印良品などで探すと格好のものが見つかるかもしれません。 容器の口が広いものの方が作りやすく、管理もらくです。初心者は、蓋つきのものが湿度を保てるので適していると言われています。蓋つきと言っても、密閉するものではなく、少し空気の循環ができるものが好適ということです。 私は、以前に使用していたテラリウムの容器を利用したので、オープンタイプで作成することにしました。 2.用土 コケテラリウムの用土は、赤玉土(焼成赤玉土)、バーミキュライト、ピートモスが基本と言われています。 これらを4:4:2の割合で混ぜて使うのですが、最初は、調合された市販の用土を使用すると手軽にできるので、まずこれを利用する方がよいと思います。慣れてきたら、いろいろ土の配合を変えたりして楽しむことが良いでしょう。。 左の写真は、用土として通販で販売されているものですが、これを使って作成しました。価格は、500ml入りのもので600円程でした。 3.用具 苔を植え付けたり、管理するために必要な道具がいくつか必要になります。 ピンセット:苔を植えるときに使用します。先の細いものが苔を1本ずつ植えるときに便利です。 鋏:先端が細く写真のように先がカーブしているものが使いやすと思います。 スプーン:用土を混ぜたり、容器に入れるときに使用します。ガーデニングのスコップの役目をするものと考えてください。だいれば良いでしょう。代用できるもので間に合わせることも可能です。 この他、霧吹き、水差し、割りばしなども用意するとよいでしょう。 4.苔 いろいろな苔が市販されているので選択に迷います。4種類の苔をパッケージにして販売してる通販サイトを見付けましたので、これを利用することにしました。 本来は、器に1種類の苔を植えることから始めた方がよいとのことです。 コッポゴケ、ホソバオキナゴケ、シノブゴケ、アラハシラゴ(左から) 5.いろいろな楽しみ方 器の中にミニチュアの風景を作るなど独自の世界を作り上げるのも楽しいものです。 左は、紅木化石(こうぼっかせき)観賞魚用品ですが、これをテラリウムに配置してみました。 霧吹きで水をかけるとよい感じになります。苔の緑と赤い色のコントラストが気に入っています。このほか、河川や海岸などで収集した医師など工夫次第でテラリウムを引き立たせるのに役立つものは沢山見付けることができるでしょう。 先日、100円ショップで「中身が見やすい透明プラフタ ガラス ポット」を見付けました。 大きさは直径10cm、高さ13cm、約750mlのもので、コケテラリウムを作成するのに好適なものと思います。 6.参考書籍など はじめての苔テラリウム 園田 純寛 著 1.基本の植え方 2.初心者でも作りやすいクローズドタイプ 3.苔の世界を広げるオープンタイプ 4.応用作品にチャレンジ 5.もっと知りたい苔のこと 2020年3月20日 発行 定価 本体1200円+税 成美堂出版 発行 NHKテキスト 趣味の園芸 8月号 注目特集 今年の夏はお部屋でテラリウム 2020年7月21日 発行 定価 本体582円+税 NHK出版 発行 この他、You Tubeでも、多くの情報を見付けることが可能です。 |
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