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人生100年時代の生き方を考える    ゆうゆう人生応援団 

人生100年良いことだけ? 人生後半の生き方
人生100年は良いことだけではない

リンダ・グラットン/アンドリュー/スコットの著書『100年時代の人生戦略』により、長寿化が社会に一大革命をもたらすという提言が話題になっている。今までの教育→仕事→引退というステージが変わり、引退年齢が70~80歳と長くなるなど今までのステージが変わってくると予測される。必要となるのは、画一的な生き方にとらわれず生涯変身を続けていくことだという。老後の金銭的資産の必要性も重要だが、見えない資産が重要になるという。見えない資産とは、生産性資産、活力資産、変身資産の三つであり、この三つに投資を続け、自らを再創造することが100年ライフを充実させるカギといえるとのことである。

確かに日本の平均寿命の伸びは世界各国のなかでもひときわ目立っている。100歳人口も49年連続で増加している。1943年には全国で143人だったが、2019年では71,274人となっている。全体の女性が88.1%を占めている。

健康寿命の伸びも表のように着実に伸びを示している。健康寿命は日常的・継続的な医療・介護に依存しないで生命維持し、自立した生活ができる生存期間と定義されている。

       平均寿命と健康寿命 <平成30年高齢社会白書より>
  2001 2004 2007 2010 2013 2016
 男性 平均寿命 78.07 78.64 79.19 79.55 80.21 80.98
健康寿命 69.40 69.47 70.33 70.42 71.19 72.14
 女性 平均寿命 84.93 85.59 85.99 86.3 86.61 87.14
健康寿命 72.65 72.69 73.36 73.62 74.21 7479

このデータを見る限りでは、2016年の男性の場合約9年近く不健康な時期を過ごしていることになる。

健康寿命はWHOが提唱した指標で、「平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間」と言うことである。留意しなければならないのは、日本の健康寿命の内容とはかなり違いがあると言うことである。

日本の健康寿命は、国民生活基礎調査において、「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に影響がありますか」という設問に対して「影響があると」と答えた人を健康で無いと判断している。

高齢になれば、耳が聞こえ難い、逆光だと人の顔がよく見えないなどいろいろな障害があって当たり前になる。こうのような軽い障害は日常生活に影響があると言えばあるし、日常生活には大した影響はないと感じている人もあろう。設問に対してどう答えたかが問題である。

高齢者の要介護者数は、2013年度末で65歳以上で569.1万人、65歳以上の人口は3,186万人なので、17.8%に当たる。82.2%の高齢者は少なくとも日常生活には問題なく暮らしていると言うことになる。

日本人の死因のトップ3は、がん、心疾患、脳欠陥疾患と言われている。この三大疾患にかからなかった高齢者は現在でも元気に暮らしているといわれているが、認知症の患者数が増加しているのも事実である。

ただし、認知症は世界的に増加傾向にあり、国際アルツハイマー協会では、世界の認知症患者数は、2015年に約6,480万人が2050年には1億3,200万人にんあると予想している。
日本の認知症患者数は、現在約450万人とされているが、2025年には700万人を超すと厚生労働省は予測している。これは、単純に考えれば、5人に1人ということになるが、この数字に恐れることなく日常生活に気をつけることしかない。

人生が長くなると言うことは、認知症や要介護の期間が長くなると言うこともあるということをしっかり認識する必要がある。

令和2年の簡易生命表が厚労省から先般発表された。平均寿命は、男性81.41歳、女性87.45歳(平均寿命は、0歳児の平均余命)となってる。
中高年の主な年齢の平均余命は次のとおりである。政府は、健康寿命の目標を2040年までに、男性75.14歳、女性77.79歳まで伸ばすとしている。

   高齢者の平均余命(主な年齢別)令和2年
年齢 50歳 60歳 70歳 75歳 80歳 85歳 90歳 95歳 100歳
男性 32.89 20.87 15.96 12.41 9.18 6.46 4.41 2.94 1.89
女性 38.49 29.17 20.21 15.97 12.01 8.51 5.71 3.64 2.29



人生100年時代は格差の時代

歳をとればとるほど個人差が顕著になってくる。とくに、健康格差、情報格差が大きく日常生活に影響してくる。まず、健康のためになにが必要なのかを認識し、健康維持に努めことがもっとも大切なことである。

健康格差について、筑波大学大学院の久野譜也教授は次のような趣旨を著書『100歳まで動ける体になる「筋リハ」』で述べている。
 50代になると、めっきり体力が低下し、生活習慣病を発症する人も出てくる。階段を急いで登ると息切れしたり、反射神経が鈍くなり瞬間的な動きができなくなる。
 60代では、よろけたり、転んだりすることが多くなったり、座った姿勢からすっと立てないこともある。膝や腰などあちこちの関節が痛むこともある。
 70代では「サルコペニア」になることもある。歩く速度が遅くなり、チョコチョコ歩きになる人もでてくる。足のふくらはぎが細くなり、筋力が一気に激減する場合もある。
 80代以降は、「フレイル(身体機能、認知機能が低下して虚弱や老衰が進んだ状態)」になることもある。

健常→サルコペニア→フレイルその先にあるのは寝たきりや要介護という状態である。

アンドレ・モーロワは、著書「生活の技術」において、上手に年をとるための二つの方法があるとのべている。
ひとつは、年をとらないこと、活動することで老化を免れる方法である。
もう一つは、老いを受け入れることである。

大事なことは、うまく年を重ねることであり、これを Successful Ageing 成功加齢という。単に若作りしたり、不老を目指すのではなく、首尾よく年を重ねることであり、そのためには老いを意識することも大事なことといえる。「老い」を意識したときに、いかに心身を対処すべきかが見えてくる。

加齢により生物学的な変化が生じる基礎的老化を防止することはまず不可能であるが、緊張感、心理的なトラウマ、病気、傷害などのストレスから基礎的老化を促進する副次的老化は、遅らせる事が可能と言われている。

もちろん、現実は厳しく、病気や死に対する不安、介護問題、子どもとの同居・別居などに関わる問題、配偶者の死別後の人生、生きがいの喪失などの問題が起きることも予想される。

いかに高齢期を生きるかは、個人の考えにより一律に定義すべき事ではないが、年齢にとらわれない生き方が大事であることは、だれにでも当てはまる。
「若さ」が絶対という社会構造から抜け出すことを考えるべきで、加齢による衰えは間違いない事実であり、いたずらに若さを追い求めることは止めて、むしろ老化を遅らせる努力はすることが必要だろう。

老化は、加齢により生物学的な変化が生まれる基礎的老化と、過度の緊張感、心理的なトラウマ、病気や障害などの人生上のストレスのよって基礎的老化を促進させる副次的老化に分けることができる。基礎的老化を防止することも必要だが、副次的老化を遅らせることの方が容易といえる。

貝原益軒の生き方

高齢になっても輝いて生き続けるという命題に、江戸時代の学者貝原益軒の生き様は、現代においても参考になる。貝原益軒は、八十五歳という長寿を全うしている。当時の平均寿命は、四十歳前後と言われているが、これは乳幼児の死亡率が異常に高いためで、五十歳以上の人たちの平均死亡年齢は、七十歳代と考えられている。

有名な長寿者としては、近松門左衛門七十二歳、杉田玄白八十五歳、加賀千代女七十三歳、滝沢馬琴八十二歳、葛飾北斎九十歳(いずれも数え年)等々があげられる。

貝原益軒は、人間の寿命は百歳と考え、少なくとも七十、八十歳代まで保つことが養生であると考えていた。
高齢になってからの人生の楽しみは左の図のように考えていたと考えられる。

愛は温和慈恵、人をにくまざるの心。
敬は、小心翼々、人をあなどらざる心。
豊かさを無限に追い求めることは、人間のおごりであり、決して真の幸福にはつながらない。
心は楽にし、苦しめず、からだは使い、休め過ぎないことが大事という。

平均を意識しない
 
他と比較しての価値判断基準から脱却することで人生が楽しくなります。

知足
 
高望みせず、現状の自分自身を完全に肯定します。

所有から存在へ
 
存在を指向することは、人生の目的が自分自身に固有の心的な力へと方向づけられているということです。

 加齢によりいろいろな変化が影響してくるのが高齢期であり、かっての同僚や友人の何人かは亡くなったり、病床にあるということも起こり得る。
カラダの衰えを感じることもしばしば起こる。家族の介護に明け暮れる人もある。
どんな状況下でも次のようなキーワードを参考にしつつ生き抜くことが大事であろう。

新たな生き方を受け入れる
 過去の人生にしがみつかず、現在の新たな人生を受け入れ、過去の華やかだった人生は幸せな記憶としてとどめよう。

いらないものを捨てる
 身の回りをみると、いならいと思いながらしまってあるものが沢山ある。思い切って捨てることも大事。

今を生きる
 今を大事に生きることが大切。この瞬間を大事にする。

 
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