第一の目標 |
精神的な打撃と麻痺状態~愛する人の死という衝撃により、一時的に現実感寛が麻療状態になる。 |
第二の目標 |
生涯を通じて自分自身の死を準備し、自分だけのかけがえのない死を全うできるように、死についての深い思索を促すこと。 |
第三の目標 |
悲嘆教育である。身近な愛する人を亡くした悲嘆の体験からいかに立ち直るかを教える悲嘆教育は、死への準備教育の大切な一領域である。 |
第四の目標 |
極端な死への恐怖をノーマルなレベルにまで緩和し、その心理的負担を取り除くことである。 |
第五の目標 |
死にまつわるタブーを取り除くことである。そうすることで、死という人生の重要な問題について自由に考えまた話すことができるようになり、死に結びついた情緒的問題の解決も可能となる。 |
第六の目標 |
自殺を考えている人の心理こついて理解を深め、自殺の予防法を考えることである。日本における75歳以上の自殺率は世界第一位である。老年期の自殺と並んで、昭和ひとけた生まれの男性の自殺も深刻な社会問題となりつつある。 |
第七の目標 |
告知と末期ガン患者の知る権利についての認識を徹底させることである。 |
第八の目標 |
死と死へのプロセスをめくる倫理的な問題への認識を促すことである。 |
第九の目標 |
医学と法律に関わる諸問題についての理解を深めることである。具体的には死の定義と死の判定、脳死、臓器移植、献体、臓器の遺贈、遺言の作成といった問題が挙げられる。 |
第十の目標 |
葬儀の役割について理解を深め、独自の葬儀の方法の準備をするための助けとすること。 |
第十ーの目標 |
時間の貴重さを発見し、人間の創造的次元を刺激し、価値観の見直しと再評価を促すことである。死を直視し、自己の有限性を自覚する時、残された時間をより有意義に過ごすための努力が始まる。 |
第十二の目標 |
死の芸術(アルス・モリエンデイ)を積極的に習得させ、第三の人生(老年期)を豊かなものとすることである。よき往生とは、時間をかけ努力して磨き上げるべき芸術である。その習得は老年期の大きな課題であり、現在をよりよく生きようとする努力にも通ずる。実り多い生と死を全うするためには、生命の量よりも生命の質をこそ重視すべきである。 |
第十三の目標 |
個人的な死の哲学の探求である。 |
第十四の目標 |
宗教における死のさまざまな解釈を探ることである。「老い」と「死」に関する疑問は、科学や合理的思考、イデオロギーなどでは決して解決されないという。ほとんどすべての宗教は、生と死、苦悩、死後の生命などについての解釈を教義の中心に含んでいる。それぞれの教えの共通点や相違点を知ることにより、自身の死生観を考察し、深めるための刺激が得られる。 |
第十五の目標 |
死後の生命の可能性について考察するよう促すことである。人生の意義も死の解釈によって決定的に異なってくる。もしも死によってすべてが無に帰するなら、生の営みも結局は不条理にすぎないが、死を新たな生への入口と考えるなら、人生のあらゆる労苦も決して無駄にならない。 |